サービス調達とは?

デジタル時代に成功を収めるには、非正規社員やサービスプロバイダーを含む外部人材が不可欠です。

目に見えない要員をどれだけ把握していますか?

「目に見えない要員」は企業の成功に不可欠です。アウトソーシングサービスには毎年多額の資金が投じられているからです。例えば、コンサルティング会社、IT アウトソーシング企業、マーケティング代理店、法律事務所、施設管理会社、コールセンター運営会社、会計事務所は、外部要員非正規要員のごく一部の例にすぎません。

 

しかし、サービスプロバイダーの管理が不十分であれば、プロバイダーを最大限に活用できず、組織をリスクにさらすことになります。実際、プロジェクトの 4 件に 1 件は期限内または予算内に完了していません。

 

現代の企業は、デジタル時代を勝ち抜くための競争優位性を確立しなければなりません。

サービス調達とは?

サービス調達とは、技術コンサルティング会社、専門サービス代理店、保守会社など、人材ベースのサービスを企業に提供するサービスプロバイダーを採用(および管理)する活動を指します。こうした企業は通常、作業範囲記述書 (SOW) を通じてプロジェクトベースで作業を請け負います。

 

現在の外部人材(サービスや労働力)の大部分は、標準的なフルタイム従業員契約とは異なる形態で雇われているため、サービス調達は極めて重要な意味を持ちます。

サービスプロバイダーとは?提供しているサービスの内容とは?

サービスプロバイダーは、業務を遂行する上で重要な役割を担い、企業の中心で活動します。企業はさまざまなサービスプロバイダーを利用しています。例えば、デジタル時代における競争力強化の支援はコンサルティング会社、IT 業務の運営は IT サービスプロバイダー、帳簿の管理は会計事務所、知的財産の保護は法律事務所、ブランド構築はマーケティング代理店、顧客の支援はコールセンター運営会社、建物や設備の保守は施設管理会社といった具合です。これらは、サービスプロバイダーが企業顧客に代わって管理する多くの重要業務のごく一部の例にすぎません。

調達とは?さまざまな種類の「調達」をご紹介します

「調達」、「サービス調達」、「直接調達/間接調達」にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの定義を見ていきましょう。

 

調達には、効率性・収益性の高い事業運営を支える商品やサービスの購買業務が含まれます。調達は包括的なプロセスであり、以下の 2 つの種類に分類できます。

  1. サービス調達
    サービス調達には、人材が提供するサービスによるエンゲージメントが含まれます。こうした人材は、企業の正規雇用従業員とは別に、提供するサービスを専門とする会社から調達されます(例えば、ブランド戦略コンサルタントや保守エンジニアなど)。
  2. 直接調達/間接調達
    直接調達/間接調達は、事業運営の継続に必要な資材や商品の取得を意味し、調達から購買、支払いまで、エンドツーエンドのサプライチェーン管理のすべてのステージが含まれます。直接調達とは、最終製品の製造時に直接使われる材料(自転車を製造するための鋼鉄など)を入手することです。一方、間接調達とは、会社の日常業務を支える商品(事務作業に必要な用紙やインクなど)を購入することです。

 

どちらも企業における重要な支出カテゴリーですが、複数の部門で別々のテクノロジーを使って管理されているケースがよくあります。しかし、インテリジェントテクノロジーとデータに基づくインサイトを最大限に活用して総支出を戦略的に管理することで、カテゴリーを越えて支出を一元的に把握する方法があります。

 

サービス調達によって得られるメリット

今日の組織は、専門スキルから効率的な能力まで、あらゆるものを求めています。また、プロジェクトを迅速に遂行し、状況や要件の変化に柔軟に適応するために外部人材に依存しています。

 

SAP Fieldglass は、Oxford Economics 社と共同で、24 業種の 1,050 人の上級経営幹部を対象に、業務遂行におけるサービスプロバイダーの重要性とサービスプロバイダーが業績に与える影響に関するグローバル調査を実施しました。

 

その結果、規模や業種を問わず、あらゆる組織にとって、デジタル時代に業務を遂行する上で外部人材がいかに不可欠な要素になっているかが浮き彫りになりました。

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デジタルトランスフォーメーションによる調達・購買の強化方法をご確認ください。

サービス調達が「目に見えない要員」と呼ばれる理由

多くの企業は、サービスプロバイダーとの契約の財務的側面の管理という点では優れていますが、これらのエンゲージメントの「人的」側面(つまり、誰が作業を行っているか、その作業者の認定とトレーニング、システム/施設へのアクセス、マイルストーン/成果物に照らした進捗など)の管理は不十分です。

 

例えば、SAP Fieldglass と Oxford Economics 社が実施した調査では、かなり驚くべき統計が明らかになりました。契約条件 (48%)、所在地 (44%)、作業者 (44%) など、サービスプロバイダーの基本情報を十分に把握している調査回答者は半数に届きませんでした。また、マイルストーンや成果物に照らした進捗 (27%)、サプライヤーレベルの業務品質 (25%)、および個々の貢献者の業務品質 (18%) を十分に把握しているという回答者は 4 分の 1 にとどまりました。

 

このように管理が不十分なことは、サービスプロバイダーとのエンゲージメントが十分に可視化できていないことを意味し、不満足なプロジェクト成果につながったり、セキュリティリスクをもたらしたりするほか、サービスの価値を最大限に引き出す上でも妨げになります。やはり、見えないものを測定することはできません。

 

サービスプロバイダーの管理が不十分な場合の問題

無駄な支出がかさみます。サービスプロバイダーは、外部人材への支出の半分近くを占めています。これは、全人件費の約 5 分の 1 に相当します。しかし、サービスプロバイダーの可視化が不十分なケースがよくあり、実際、サービスプロバイダーに委託したプロジェクトのうち、4 件に 1 件が期限内または予算内で完了していません。

 

4 分の 1 のプロジェクトがうまくいかなければ、企業は貴重な時間を無駄にし、驚くほどではないにせよ、多額の支出を失っていることになります。

役員たちの多くが外部人材に無頓着なのは、必要な働き手における外部人材の占める割合や、イノベーションや成長の原動力としての彼らの役割に気づいていないからです

リサ・ザク (Lisa Zak) 氏、Medtronic 社戦略的調達担当ディレクター

サービスプロバイダーとのエンゲージメントの改善方法とそのメリット

可視性が不足していたり、厳格に管理できていなかったりすると、サービスプロバイダーの価値を最大限に引き出すことができません。SAP の調査では、この目に見えない要員に光を当て、企業がリスクを軽減しながら、サービスプロバイダーのメリットを最大限に引き出すにはどうすればよいかを検証しています。

 

サービスプロバイダーを管理し、より大きな価値を効果的に引き出し、投資回収率を高めるには、4 つの重要な取り組みが推奨されます。特に、サービスプロバイダーを自社の人材の延長線上で捉え、従業員と同じ厳格さで管理する必要があります。

 

サービスプロバイダーの管理を改善するための重要な取り組みの 1 つとして、ベンダー管理システム (VMS) など、クラス最高の機能を備えたインテリジェントテクノロジーを導入する必要があります。